そういうわけでギャングは4人いる

読書家の友人の勧めで遅ればせながら読んだ。

陽気なギャングが地球を回す

ミステリー系の小説はときどき読むが、核心にいたるまでにやたら布石をこれみよがしに打つストーリーは好きではない。

あの限られた文字数の中で、登場人物の性格やその人格形成に至った経緯やら説明しつつ事件を起こしてかつ解決するのは大変とは思うが、それをいかに自然にやるかを楽しむというのが私の読み方でもある。

そういう意味でかなり協力的ではない読者なのだが、ドフトエフスキーの車は思わずにんまりさせられた。
謎の警察マニアは読めたけど。

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ため口

友人のブログに的外れなコメントを送ったら、深いため息と一冊の本が返ってきた。

村上春樹 『東京奇譚集』

小説はほとんど読まないので、面倒だなと思いつつもしばらく通勤の供になることになった。

これは短編集で集中力はいらないし、また「きざな」物言いがとてもかっこよく見えて、期待以上に面白く読めている。

ふと気になったのは女の子と私が話をするシーン(「どこであれそれが見つかりそうな場所で」)。
そう言えば子供はみんなため口でしゃべる。
知り合いでもないのにため口で話しかけてくる大人には正直怒りすら覚えるが、子供に対してはそうは思わない。

その大人の不遜な態度ということもできるのだが、しかしこの差は受け取る側のものだ。
大人と子供に対して何らかの異なる期待があるのではないかと思われた。

大人は相手を敬って話すものだという社会通念?
いや、それはそうかもしれないが、つまりは自分に対して尊敬を示せという期待でもあるような気がして、結局は自分の不遜が原因ではないか。
反省。

これからは大人のため口にも寛容になれるかな。

友人が言いたかったこととは違うと思うのだけれど、新しい刺激を受けられたことに感謝している。

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太陽系外惑星にみるロマン

先日Web(どこだったかな)で読んだ連載記事で、太陽系以外の惑星が既に100個以上も発見されていることを知った。
その翌日、偶然か知らないが、NHKで同様の特集をやっていた。

連載で紹介されていた本の著者がテレビにも出ていて、私も早速その本を読んでいるところである。

惑星探しはプラネット・ハンティングと呼ばれていて、1940年代くらいに始まったそうだ。アポロ計画よりも20年以上前だ。

探索の基本原理は、惑星が存在することによる中心星(恒星)の軌道のブレを調べることである。砲丸投げの際に人間がぶれるようなことで、たとえば木星のような大質量の惑星は、太陽の軌道を太陽の半径程度もぶれさせているらしい。なんともダイナミックな話である。

しかし、最初に惑星が見つかったのはなんと、1995年!
しかも恒星のごく至近距離を4日余りで公転する巨大なホット・ジュピターであった。
その後も、彗星の如く楕円軌道を回るエキセントリック・プラネットなど、太陽系の姿からは想像もしない惑星が次々発見されている。

40年以上も惑星が見つからなかったのは、先のブレの観測には惑星の公転周期程度の年月がかかることともちろん観測精度の限界もあるのだが、研究者が太陽系のような円軌道で整然とならんだ惑星ばかりを考えていたことにも問題があるらしい。

異形の惑星達の発見で、天文学界は太陽系形成理論の再構築を迫られているそうで、それは落胆ではなくむしろ新しい謎の登場に狂喜乱舞しているところだそうだ。(注:この本は2003年刊行)

ところで、私が趣味の時代から含めると18年くらい浸かっている(もはや漬かっている?)IT業界は、半導体関連の物理学、電気回路系の物理学、ソフトウェア工学が主体であると思う(経済関係を除く)。
いずれもナノとか目に見えない物とか0/1とかばかり。次々とくる新発見や画期的な改善のニュースに夢を見る時代はやや過ぎ去り、熱暴走と量子効果とデスマーチと資金力との戦いばかり。先の見えない戦国時代(成熟期)に突入しているように見える。

ぜひ、太陽系外惑星発見のような心躍る発見が飛び出してこないものかと期待しつつ、さぁて今日もキーボードに向かうことにしよう。。。

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人は見た目が9割

ずいぶん昔にはやった本だけど、先日読了。

確かに第一印象とはほとんど見た目のことだし、深く話をすればわかるといっても、そこまで行くためには最初の壁を乗り越えないといけないわけだから、言いたいことは良くわかる。

演出家として演劇を指導したり、漫画の原作者として見せ方を考えたりするところから、態度や振る舞いや化粧まで含めて見た目の効果を論じている。

が、正直、あまり面白くない。
というか、飽きる。

次々と出される新書にありがちなのだが、言いたいことのポイントが少ない場合、それを無理に膨らませて本に仕立てようとするので、全体の構成が薄っぺらい。

主張をいろいろな言葉で繰り返すことは、確かに読者の理解の助けになる場合もあるが、過ぎたるは及ばざるが如し。多すぎると頭に入らなくなる。

この本はそういう本だ。

私はこの本のヒットは、こう分析する。

本はタイトルが9割

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週110時間働けるか

今、忙しい。

布団で寝るのが1日おきくらいになっている。
要領よくやってたっぷり寝たいが、どうにも夏休みの宿題症候群から脱出できない。

ところで、忙しさには2種類あると思っている。

一つは、仕事ができないから滞って忙しい。
もう一つは、仕事ができるからどんどん舞い込んで忙しい。

この人の場合は明らかに後者だ。

藤田晋
有名なIT系ベンチャー企業の若社長である。

最近彼の著書「渋谷ではたらく社長の告白」を読んだ。Isbn9784344990067

今まで彼のことは特に理由もなくあまり好きではなかった――しいてあげればなんとなく腫れぼったい顔が気に入らないとか、美人女優と結婚(&離婚)しやがってとか――が、やはり尊敬すべき天才の一人なんだなと考えを改めざるを得ない。

とにかく自信と努力と決断に優れている。
バイト時代も社員を超える働きで社長に認められ、就職するも1年足らずですぐに起業。
2年後には単独企業としては最年少社長として上場にいたるが直後のITバブル崩壊に苦しみ悩む。
しかしぐっとこらえて地道な努力を続け4年後には通期利益40億円を確保するまでに成長した。
やはりそんじょそこらの天才ではない。

いつかやってやる!と私だって思っているが、そんな私もちょっと挫けそうなのがこの事実。

藤田氏は起業直後週に110時間働いていたという。

しかも凄いのは、それは目標であること。
余った時間があっても、余らないように仕事を増やすための準備に充てることで、自然と忙しくなって目標時間は達成されるのだとか。

だって、一週間って168時間しかない。
一日8時間寝ようと思ったらこれだけで56時間だから、食事の時間がない。

うーん。
来る起業時に比べたら、私の今の忙しさは練習程度だと思うことにする。

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月刊アスキーの勇気

月刊アスキーが変わっていた!!

毎週本屋には立ち寄るが、ふらっと棚を見ていたら見慣れない装丁の雑誌に「月刊アスキー」と書いてある。
ページ数も少なくあのごっつい背表紙はない。
完全に見た目はビジネス雑誌。

何の雑誌かなと手にとって見るとそれは、「パソコン誌卒業宣言」をして「ビジネスとITのギャップを埋める」ために生まれ変わった月刊アスキーそのものだったのだ。

もともとの月刊アスキーは、パソコンオタクや自作マニアなどのパワーユーザ層向けの新製品情報や使いこなしを研究・紹介する雑誌の草分けだ。
PC User、DOS/V SPECIALや日経WinPCなどもそうだが、パソコンの普及とともに初心者層が増えて雑誌は乱立し、マニア層はWebから情報を取るようになりと、苦戦しているジャンルである。

30年続いたそのスタイルを全て捨て去るというのは、さぞ抵抗があったに違いない。
実際PC UserとDOS/V SPECIALは変化ではなく、休刊を選んだ。

しかし、次の30年を生き続ける為に苦しい変化を選び、出来上がった新しいアスキーは、見た目にはもう以前の姿はないが、記事の多くが技術視点になっているあたりは他のビジネス誌とは違うアスキー魂を垣間見せる。

まだまだ真価はこれからだけれども、注目したいと思う。

気になる方はまずはこちらのWebサイトを。

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パソコン解体新書

ITmediaでやっている連載に「見てわかる パソコン解体新書」というのがある。

パソコン周辺で使われている様々なテクノロジーを、美しいグラフィックスとともに詳しく解説してくれる。グラフィックも文章も丁寧で、ポイントを押さえていてわかりやすい。

もともとはPC USERという雑誌の人気連載で、休刊とともに終了したがITmediaで復活したもの。
確か100回は行ってる長寿連載でもあり、単行本にもまとめられている。

DVD、メモリ、サウンドカード、デジタルカメラ、インターネット、OS、携帯電話・・・。
営業職の先輩も買って読んでいた。

好きな連載だったので、Webでの新連載を楽しみにしている。
テクノロジーに興味がある人はぜひ読んで見ては。

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冥王星と科学

冥王星の降格の話題が盛り上がっている。

冥王星は唯一アメリカ人が発見した惑星だそうで感情論も考慮しろとか、冥王星は占いにも深く組み込まれているので降格はやめて欲しいとか、なんとも情けない論議も巻き起こっている模様。
冥王星がなくなるわけじゃないんだし、占いはそのままでいいじゃん。

この話題の一番素晴らしいところは、まずIAUが極めて科学的に議論していること。
そして、科学は更新されるものであるということを、世間一般に広く認知させられたこと。
宇宙ネタ、それも惑星という誰しも一度は興味を持つ内容だったからこそ、重要な影響力がある。

理系離れが問題になって久しいけれど、自分が基礎教育を終えて思うのは、やっぱり答えが用意されている勉強だけでは、学力は伸びようがないということだ。
覚えれば良いだけで、考える必要がないんだもん。

この冥王星論議をきっかけに、科学は決まったものではなくて新たな発見や意見が世界に影響することがあるということを、学生諸君に感じていただきたいな、と思うことしきり。

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フラット化する世界での賃金と仕事

ようやくフラット化する世界、上巻読了。

Web2.0という言葉がネット業界から見た経済の変革を指しているとすれば、フラット化した世界というのはもっとリアルな視点から同じものを見たものといえるかもしれない。

とにかく読んでみて損はない。
というか、これからビジネスをやろうとする人はこれを読んで準備しておかないと、フラット化した世界になすすべないんじゃないの?と思わせる。

さて、上巻では、アメリカのインドへのアウトソーシングを中心に論点を展開しているのだけれど、誰にもわかりやすい且つ対処すべき点は次のようなことかな、と思う。

世界がフラットになって、どこでも誰でもやれる人が仕事をやればいいという状態になってくると、国が違うから賃金が違うなんてことはなくなり、単純に仕事の内容で賃金が決まるようになる、ということだ。

例えば、今はアメリカの仕事の単純な部分をインドにアウトソーシングしているから「インド=低賃金」と見える。
しかし、それはフラット化した世界においては、アメリカに住んでいてもインドにアウトソーシングしているような単純な仕事しかできなければインド並みの賃金しか得られないということを意味しているわけだ。

中国が本格参戦してくればますます事態は厳しくなる。

アメリカや日本に生まれたから裕福であるとう時代は終わりを迎え、それぞれの能力で持てる富が決まる。
経済と生活水準が世界全体で連動するようになるのだ。

なんとも恐ろしい。
自分ならではのものを作っていかないと、コモディティだけでは現在の中国並みの低賃金で暮らすしかない世界が待っているのかもしれない。

しかし、先進国に生まれたメリットはあるはず。
少なくとも日本は最低限の教育水準は高い。
教育を受ける側が全然危機感がないので伸びていないけれど、学ぼうと思えば後からくるインド、中国をしばらく引き離しておけるアドバンテージは十分作れるはず。

世の中のNEET諸君。
何が不満でそんなNEETしてるのか知りませんが、そんなことをしていたら夢なんて語れませんぞ。

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思考する機械コンピュータ

本を読むことで、知っていると思っていたことにまだまだ知らないことがたくさんあることを気づかされることがある。

ダニエル・ヒリスの「思考する機械コンピュータ」も、そんな本。

特に面白かったのは、コンピュータというのは概念のことであって、シリコンでできたアレのことではないということ。
だから、バイオでも、量子でも、棒と紙であっても、論理回路を実現できればいいのである。

なるほど。

全体的にもこのようにモノではなく概念を再認識させるような内容で、論理回路やブール台数の知識が必要。
内容にこれらも含まれてはいるのだけれどそれだけでは理解は厳しく、扉にかいてあるように「入門書」というにはちょっと難しいと思う。

著者の専門である大規模クラスタについて議論する後半はちょっと駆け足で内容が薄くなるので、コンピュータの集合をどう考えて1台のコンピュータとすればよいのかなど概念とリアルの結びつきについてもっと読みたくなった。

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